りあむと私と総選挙

第八回シンデレラガールズ総選挙、夢見りあむさん総合第三位おめでとうございます。
私は、りあむに細々ながら投票し続けた有象無象の中の一人だ。
この記事は、そんな零細オタクの自分語りである。


りあむと出会う以前に応援していたシンデレラのアイドルは二人。そのどちらにも声はついていない。
一人はそれなりに知名度がある方だ。デレステSSRも実装されているし、モバでも(声無しの割には)比較的良い扱いを受けていると思っている。これまでの総選挙でも、常連ではないものの、五十位圏内に入ったことが何度かあった。
もう一人は、はっきり言ってかなり知名度が低い。デレステの営業コミュ実装のお陰で少しはマシになったと思いたいが、真剣にゲームをプレイして、殆どのアイドルを把握している人間でもなければ「誰?」と言われかねない。実際に言われたこともある。過去の総選挙の結果も、良かったとは決して言えない。
二人のことは今だって応援している。早く声がついてほしい、もっと多くの人に彼女たちと出会ってほしいと願う気持ちも失くしていない。

だけど、彼女たちには「話題性」があまりないとも思っている。

例えば、クソコラ画像が作られたり、
面白い動画が動画サイトにアップされたり、
不名誉な弄られ方をされたり。

そういったことが、彼女たちには全くなかった。それが良いことなのか悪いことなのかはさて置き、長期的な話題になるような何かが起きることがない。
話題性がないということは、衆目を集めることもないということだ。


その点、夢見りあむは実装当初から話題を集めていた。
奇抜な髪色ながら整った容姿、自身もオタクであるゆえなのかTwitterで見かけるような過激な言い回し。「今の若者」を投影したかのようなモバ初出側の新人三人の中でも、りあむは浮いていたように思う。そして、オタクのオモチャにされそうだなとも。

正直に言おう、第一印象から好きでした。

その気持ちは日に日に大きくなり、デレステに実装されたモデルを見て爆発した。めちゃくちゃに可愛かった。好きな顔をしていた。色んな曲を躍らせては「すこ…………」と呟くくらいには好きになっていた(まだりあむを躍らせたことがない方は、是非この機会に躍らせてみてほしい。りあむは天才的な可愛さを持っている)。

元から話題性のあるキャラではあったが、総選挙の中間発表で総合三位になってから、更にその話題性は上がったように思う。
実装数ヶ月で総数二百人を超えるアイドルたちの上から三番目になってしまったなんて、こんなに面白いことがあるだろうか!

勿論、それを快く思わない人間がいるのも当然だ。昔から応援してきたアイドルが、ちょっと乳がデカいだけのぽっと出の新人に負けるなんて許せないと思うのも、分からなくはない。それが「ちょろいなオタク!」のように、言葉が圧倒的に足りずに誤解を生む台詞ばかりを言い放つようなりあむであれば、尚更。
だが、そんな人が書いた長文はてブロがバズったことがりあむの認知度を高めたことは、間違いない。
それを発端に、中間発表以降、毎日のようにりあむの名前を挙げた長文はてブロが投稿され、その度にRTが伸びていた。その内容はりあむを貶すもの、りあむを褒めたててゲームの現状を打破してほしいと願うもの、そもそもりあむの名前を使っただけの運営やゲームのプレイヤーたるPへの毒吐きだったりと様々だった。
そんな数々の長文はてブロを見ながら、私はほくそ笑んでいた。

だってそれは、りあむが言う「炎上してでも売れたい」を実現させているだけじゃないか!

最初は内心複雑だった。元々応援していた二人は圏内に入ってさえいない。唯一圏内に、しかも上位に入った好きなキャラは酷い言われようをしている。悔しかった。これ以上何も見なくてもいいように、ゲームをやめて、ツイッターのアカウントも消してしまおうかとすら思った。
でも、毎日のようにりあむの名前がTLに流れ、
勝手にりあむを神輿にするような人が現れ、そうしてりあむを面白がる人が増えていくのを目にしているうちに、段々と私もその現状を面白く感じるようになっていった。
そして、何が何でも、りあむを最終結果でも上位に入れてやろうという気になった。
それが叶うのは、「話題を集めている今しかない」からだ。


どこかの誰かに、りあむには「物語がない」と言われた。「だからこんなに票が伸びるなんて許されない」とも。
だが、結局のところ「物語」なんてあってもなくても同じなのだと証明してくれたのは、他ならぬPではないだろうか。
だって、そうだろう。まだ実装されたばかりのりあむのカードは、モバもステも一枚のみ。デレステのコミュは、出会いの話とチェンジ後の計二話。勿論、イベントには未登場。ぷちデレラも、養成所で交換していなければ台詞は見られない。投票期間終了までに劇場へ登場したのはモバ・ステ合わせて二話だけ、しかもモバの方は顔見せ程度。デレポへの登場は五月から。勿論、アニメにだって出ていない。誰でも読めるものといえば、リフレッシュルームくらいか。
そんな状態にも関わらず、りあむは初期から登場している数々のアイドルたちを抜かして中間最終共に三位に輝いた。

そもそもだが、物語があったところで興味がなければ読まないだろう。
感動的なコミュだって、スキップで読み飛ばされれば、ないのも同然。
胸を打つようなイベストを、一体何人がきちんと読んでいるのだろうか。
アイドルたちの苦悩を、想いを、アイドル活動を通じて得た経験を、しっかりと見つめて、その上で応援してきた人が、世界にどれだけいるのか。

「物語」があっても、「これまでの積み重ね」があっても、あなたたちは私が応援してきた二人には見向きもしなかったじゃないか。

「物語」も「初登場から今日に至るまでの過程」も、美麗なイラストのカードもSSRも、Pによる長文ダイマも、りあむにはない。
唯一あったのは、「話題性」。
たったそれだけで、票を集めて三位になった。
それが答えだ。


きっと次回の総選挙からは、りあむの得票数はガクッと落ちるだろう。
けれど、それすらも私もその他Pたちも面白がるだけ、話題になるだけなのだろう。その様子が簡単に想像出来て、今から既に口角が上がる。
批判も炎上も何もかも糧にして、面白がる人たちを巻き込んで、夢見りあむはこれから自身の「物語」を構築していく。
「話題性」しかなかったりあむが、彼女の憧れた「尊いアイドル」を目指してガラスの靴を履いて焼け野原を爆走していく様を見届けるべく、今日も明日も私は彼女をすこる。


最後に、
夢見りあむを許さないでくれたあなた、
夢見りあむを勝手に神輿にして担いでくれたあなた、
夢見りあむに勝手に自己投影してはそれを壊されて憤ってくれたあなた、
夢見りあむの名前を使って運営や総選挙のシステム、デレマスPに呪詛を吐いてくれたあなた、
その他、夢見りあむを話題に出してくれたPサマたち、
誰かの長文はてブロをRTしてくれた皆様、
全国一千万人のやむくん、やむちゃんのみんな、

りあむの「炎上してでも売れたい」を叶えてくださって、本当にありがとうございました♡


第八回シンデレラガールズ総選挙、本当にお疲れ様でした。